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teslacoil:drsstc [2014/02/12 21:00] 119.224.184.103 |
teslacoil:drsstc [2014/02/18 19:19] (現在) 118.15.69.52 [発振方式] |
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ライン 2: | ライン 2: | ||
DRSSTCとは、SSTCを更に改良し、一次側巻線も共振させることによって大電力を投入可能としたものである。\\ | DRSSTCとは、SSTCを更に改良し、一次側巻線も共振させることによって大電力を投入可能としたものである。\\ | ||
- | 以下に大まかな動作メカニズムを解説する。\\ | + | その代わり一次側の共振回路による制約が激しく(高いピーク電流と電圧、周波数を変えられない、ZCS動作が必須など)、これを上手く駆動することがDRSSTC製作の実質上の目標であると言っても良い。 |
+ | ===== 動作メカニズム ===== | ||
まず、一次側巻線にコンデンサを直列に挿入して直列LC共振回路を構成し、この一次側の共振周波数を"二次側共振周波数*共振状態に於ける結合係数(※1,2)"に設定しておく。\\ | まず、一次側巻線にコンデンサを直列に挿入して直列LC共振回路を構成し、この一次側の共振周波数を"二次側共振周波数*共振状態に於ける結合係数(※1,2)"に設定しておく。\\ | ||
この一次側共振系を共振させると、インピーダンスは0になり、理想的にはR成分も0となるため際限なく電流が流れる。\\ | この一次側共振系を共振させると、インピーダンスは0になり、理想的にはR成分も0となるため際限なく電流が流れる。\\ | ||
すると、二次側もつられて共振し、結果的に高電圧が発生する。\\ | すると、二次側もつられて共振し、結果的に高電圧が発生する。\\ | ||
このように動作させることにより、一次側に大電流を流すことが可能になり非常に強力な放電を得ることができる。\\ | このように動作させることにより、一次側に大電流を流すことが可能になり非常に強力な放電を得ることができる。\\ | ||
+ | \\ | ||
※1:テスラコイルはその定義より、共振状態に於いて本来の動作を発揮するものであり、ここでの結合係数は共振状態での測定値を用いる必要がある。一般的な測定器では測定周波数を細かく設定することができないため共振状態での結合係数を測定することができない。非共振状態に於ける結合係数は非常に低い値を示すはずである。\\ | ※1:テスラコイルはその定義より、共振状態に於いて本来の動作を発揮するものであり、ここでの結合係数は共振状態での測定値を用いる必要がある。一般的な測定器では測定周波数を細かく設定することができないため共振状態での結合係数を測定することができない。非共振状態に於ける結合係数は非常に低い値を示すはずである。\\ | ||
- | ※2:一次コイルの自己インダクタンスをL1,漏れ磁束を考慮した一次コイルのインダクタンスをL1'、二次コイルの自己インダクタンスをL2,相互インダクタンスをM,結合係数をkと置く。ここで、k,Mは\\ | + | \\ |
+ | ※2:一次コイルの自己インダクタンスをL1,漏れ磁束を考慮した一次コイルのインダクタンスをL1'、二次コイルの自己インダクタンスをL2,漏れ磁束が無い理想的な相互インダクタンスをM,結合係数をkと置く。ここで、k,Mは\\ | ||
k^2=M^2/(L1'*L2)\\ | k^2=M^2/(L1'*L2)\\ | ||
M^2=L1*L2\\ | M^2=L1*L2\\ | ||
ライン 14: | ライン 17: | ||
L1=L1'*k^2 ・・・1\\ | L1=L1'*k^2 ・・・1\\ | ||
と求まる。 | と求まる。 | ||
- | また、ここで一次側共振周波数をf1、漏れ磁束を考慮した一次側共振周波数をf1'、二次側共振周波数をf2と置くと、\\ | + | また、ここで一次側共振周波数をf1、漏れ磁束を考慮した一次側共振周波数をf1'、二次側共振周波数をf2、一次側共振コンデンサ容量をC1、二次側トロイド容量をC2と置くと、\\ |
- | f1=1/(2π(√(L1*C)))\\ | + | f1=1/(2π(√(L1*C1)))\\ |
- | f1'=1/(2π(√(L1'*C))) ・・・2\\ | + | f1'=1/(2π(√(L1'*C1))) ・・・2\\ |
- | f2=1/(2π(√(L2*C)))\\ | + | f2=1/(2π(√(L2*C2)))\\ |
となる。テスラコイルでは漏れ磁束を考慮しない場合一次側と二次側の共振周波数は合わせるから、\\ | となる。テスラコイルでは漏れ磁束を考慮しない場合一次側と二次側の共振周波数は合わせるから、\\ | ||
- | f1=1/(2π(√(L1*C)))=1/(2π(√(L2*C)))=f2\\ | + | f1=1/(2π(√(L1*C1)))=1/(2π(√(L2*C2)))=f2\\ |
となる。しかし、漏れ磁束を考慮した場合、式1を代入して、\\ | となる。しかし、漏れ磁束を考慮した場合、式1を代入して、\\ | ||
- | 1/(2π(√(L1'*(k^2)*C)))=f2\\ | + | 1/(2π(√(L1'*(k^2)*C1)))=f2\\ |
k倍すると、\\ | k倍すると、\\ | ||
- | 1/(2π(√(L1'*C)))=f2*k\\ | + | 1/(2π(√(L1'*C1)))=f2*k\\ |
となる。ここで式2を用いると、\\ | となる。ここで式2を用いると、\\ | ||
f1'=f2*k\\ | f1'=f2*k\\ | ||
ライン 29: | ライン 32: | ||
\\ | \\ | ||
[[:debate|疑問点あるので筆者さん解説おながいします。]] | [[:debate|疑問点あるので筆者さん解説おながいします。]] | ||
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+ | ===== 発振方式 ===== | ||
+ | 二重共振という名の通り一次と二次が同じ周波数で共振するためどちらからフィードバックを取っても動作はするのだが、実際は回路の都合上一次側からフィードバックを取ることが多く、こちらについて記す。\\ | ||
+ | これは一次側が共振するときに非常に大きい(小型のものでも100A、大型のものでは1kA近く)電流が流れるため、この電流が0になる瞬間以外で半導体素子のオンオフを行うと素子に莫大な負担がかかるからである。 | ||
+ | また、一次側共振回路の位相に同期するということはすなわち一次側の共振周波数でスイッチングすることであるので、投入する電力を最大にすることができる。 |