パーンと音がして壊れたり、火を噴いて壊れた場合、
残ったFETはこのような形になっていると思います。
この破壊モードの場合は見た目で判断ができます。
はい、モールドが吹っ飛んでいます。
こうなった場合は死亡判定をするまでもなく、そのFETは死んでいます。
ここまでならずとも、モールドにヒビが入っている場合も同様です。
こうなる状況として、ドレイン-ソース間の耐圧オーバーが原因である事が一番多いようです。
この場合はDRSSTCの1次コイルから帰ってくるスパイク電圧が原因でした。
因みに、ゲート保護用にツェナーダイオードがゲート-ソース間に入っている場合は
そのツェナーダイオードも一緒に死にます。
慣れない内は「ゲートに過電圧が掛かったせい」と考えがちですが、
実際は
ドレイン-ソース過電圧
↓
ドレイン-ゲート間絶縁破壊&導通
↓
ツェナー過電流により破壊+ドレイン-ソース間導通
という流れで死んでいる様なので
ツェナーの死亡は副次的損害なワケです。
扱う電流が素子に対して十分に小さい場合は
上記の様に爆発、発火をしない事もありますが、
大体「プチッ」と言う音がしてモールドにヒビが入るので分かります。
しかし、その場合でも大体ツェナーはしっかりと死んでくれるので、
死亡状況の把握は可能です。
で、これを防ぐ方法ですが。
恒常的に過電圧が起きる場合にはまず設計を見直すべきです。
そうでない場合、一瞬だけ過電圧が掛かる場合などは
スナバ回路が有効です。
良い半導体を選ぶよりも安く上がります。
もし壊れた物が既製品で「なんだか良く分からないけど爆裂して壊れた」
と言う状況である場合は、マズはサポートセンターに相談して、
それでもどうにもならない場合は、とりあえずその爆裂した素子を交換して
スナバ回路を後付けすると良いでしょう。