ZVS FBT Driverです。
これでも十分長い名前なんですが、これでも略称でして、本当は
ZVS(Zero Voltage Switching) FBT(FlyBack Transformer) Driver
と言います。
あんまりにも長い名前なんで日本のMakerさんの間では単に「ZVS」で意味が通ったりします。
で、なんぞこれと言うと
海外Maker勢が作り上げた極めてシンプルで、且つ損失が少なく大出力が取り出せる発振回路です。
その名前の通り、ブラウン管テレビのフライバックトランスを駆動するのによく使われています。
またかなり重い負荷でも駆動できるため、誘導加熱の実験なんかにも使われたりしています。
よく見かける回路はこんな回路です。
Thank you Vladimiro !!
この回路でも十分シンプルで効率も良いんですが、この回路にはちょっと気になる箇所が有ります。
この回路の場合、FETのゲートチャージのために低抵抗の抵抗をゲートに入れる必要がある(上図だと470Ω)
んですが、その抵抗は電力容量の大きい物でなくてはなりません。
なぜかと言うと
例えば上のMOSFETがONになっている場合を考えると、こんな感じに電流が流れていて
その間ゲート抵抗はただの発熱体になっているからなのです。
(次の半波で下側MOSFETがONした場合にもそのMOSFETのゲート抵抗はただの発熱体になっています)
凄く無駄です。
しかも私の家にはそんな都合の良い電力用抵抗が無い事の方が多いのです!!
と言う事で、更に効率を高くしつつ、電力用抵抗を使用しない形に組みなおしましょう。
で、できたのがこれ
これで手持ちの無い電力用抵抗からおさらばでき、しかも無駄な消費電力も減りました。やったね。
更に、電力用抵抗がなくなり、ダウンサイジングも果たしています。完璧です。
あと前作(Vladimiroの回路)から引き継いでいる問題と言えば
負荷が重くなりすぎると発振が止まる事ぐらいですが、
まあその辺は電源の電流を監視する回路を別に付ければOKでしょう。