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power_ele:teslacoilver3 [2013/03/19 20:08] hirosi [回路製作2] |
power_ele:teslacoilver3 [2013/03/19 21:27] hirosi |
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====土台の製作==== | ====土台の製作==== | ||
- | {{:power_ele:dodai1.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:dodai1.jpg?412*310}}\\ |
はい、なぜかいきなり2次コイルが出来上がっているわけですが(笑\\ | はい、なぜかいきなり2次コイルが出来上がっているわけですが(笑\\ | ||
この2次コイルに合う様に土台を製作していきます。\\ | この2次コイルに合う様に土台を製作していきます。\\ | ||
Line 16: | Line 16: | ||
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そしてある程度組んだものがこちら\\ | そしてある程度組んだものがこちら\\ | ||
- | {{:power_ele:dodai2.jpg?200*300}} | + | {{:power_ele:dodai2.jpg?310*412}} |
- | {{:power_ele:dodai3.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:dodai3.jpg?412*310}}\\ |
塩ビのフランジ部分から1次コイルを巻き始めると\\ | 塩ビのフランジ部分から1次コイルを巻き始めると\\ | ||
1次コイルと2次コイル間の距離が開きすぎて効率が悪くなってしまうため、\\ | 1次コイルと2次コイル間の距離が開きすぎて効率が悪くなってしまうため、\\ | ||
Line 30: | Line 30: | ||
ここは機械の力を借りて、一旦欲しいアクリル板の形をCADってしまいます。\\ | ここは機械の力を借りて、一旦欲しいアクリル板の形をCADってしまいます。\\ | ||
そしてCADったモノを等倍でプリントアウトし、それをアクリル板に張り付け、加工をすれば\\ | そしてCADったモノを等倍でプリントアウトし、それをアクリル板に張り付け、加工をすれば\\ | ||
- | {{:power_ele:pr_coil1.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:pr_coil1.jpg?412*310}}\\ |
ね、簡単でしょ?\\ | ね、簡単でしょ?\\ | ||
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Line 38: | Line 38: | ||
ここで気に入らない箇所があればこの段階で直しておきましょう。後々後悔します(笑\\ | ここで気に入らない箇所があればこの段階で直しておきましょう。後々後悔します(笑\\ | ||
※私はストライクリングの付け忘れをして現在後悔中です(笑\\ | ※私はストライクリングの付け忘れをして現在後悔中です(笑\\ | ||
- | {{:power_ele:pr_coil2.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:pr_coil2.jpg?412*310}}\\ |
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多くのトランスと同じ様にテスラコイルも1次コイルと2次コイルはできるだけ近づけた方が効率が良いのですが、\\ | 多くのトランスと同じ様にテスラコイルも1次コイルと2次コイルはできるだけ近づけた方が効率が良いのですが、\\ | ||
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さて、後はひたすら巻いていく訳ですが\\ | さて、後はひたすら巻いていく訳ですが\\ | ||
- | {{:power_ele:pr_coil3.jpg?300*200}} | + | {{:power_ele:pr_coil3.jpg?412*310}} |
- | {{:power_ele:pr_coil4.jpg?300*200}} | + | {{:power_ele:pr_coil4.jpg?412*310}} |
- | {{:power_ele:pr_coil5.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:pr_coil5.jpg?412*310}}\\ |
この1次コイルの保持方法は失敗ですね。\\ | この1次コイルの保持方法は失敗ですね。\\ | ||
最初のうちはスイスイ巻けるのですが、段々と穴の中を銅管が滑っていかなくなってきます。\\ | 最初のうちはスイスイ巻けるのですが、段々と穴の中を銅管が滑っていかなくなってきます。\\ | ||
何度も指でコイルをグイグイ押すので、その部分が水ぶくれになってしまいました。\\ | 何度も指でコイルをグイグイ押すので、その部分が水ぶくれになってしまいました。\\ | ||
- | {{:power_ele:pr_coil6.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:pr_coil6.jpg?412*310}}\\ |
しかしここまで行ったらもう引き返す事もできません。\\ | しかしここまで行ったらもう引き返す事もできません。\\ | ||
CRC556で滑りを良くしながら少しずつ巻いていきます。\\ | CRC556で滑りを良くしながら少しずつ巻いていきます。\\ | ||
- | {{:power_ele:pr_coil7.jpg?300*200}} | + | {{:power_ele:pr_coil7.jpg?412*310}} |
- | {{:power_ele:pr_coil8.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:pr_coil8.jpg?412*310}}\\ |
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====トロイドの製作==== | ====トロイドの製作==== | ||
Line 78: | Line 78: | ||
このトロイドも同じで、トロイドの表面と地面の間にある空気を誘電体としたコンデンサを作ります。\\ | このトロイドも同じで、トロイドの表面と地面の間にある空気を誘電体としたコンデンサを作ります。\\ | ||
今回は(今回も)ホームセンターで売っているアルミダクトを丸めた物をトロイドとして使用します。\\ | 今回は(今回も)ホームセンターで売っているアルミダクトを丸めた物をトロイドとして使用します。\\ | ||
- | {{:power_ele:toroid.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:toroid.jpg?412*310}}\\ |
この辺はとりあえず大きめのトロイドを作っておき、\\ | この辺はとりあえず大きめのトロイドを作っておき、\\ | ||
後で共振周波数を合わせる段階になった時に微調整をするという方法が楽です。\\ | 後で共振周波数を合わせる段階になった時に微調整をするという方法が楽です。\\ | ||
Line 84: | Line 84: | ||
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さて、ここまでで\\ | さて、ここまでで\\ | ||
- | {{:power_ele:toroid1.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:toroid1.jpg?412*310}}\\ |
この様な形になり、随分とサマになってきました。\\ | この様な形になり、随分とサマになってきました。\\ | ||
この段階でもう2次側共振系は完成していますので、\\ | この段階でもう2次側共振系は完成していますので、\\ | ||
Line 91: | Line 91: | ||
====回路製作1==== | ====回路製作1==== | ||
前回の制御回路は使いづらい事この上ない上に、パワー段の効率も出ないので大幅に変更。\\ | 前回の制御回路は使いづらい事この上ない上に、パワー段の効率も出ないので大幅に変更。\\ | ||
- | {{:power_ele:circuit1.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:circuit1.jpg?412*310}}\\ |
パワー段も前回使っていたSUP85N-15(MOSFET)からIGBTのフルブリッジに変更。\\ | パワー段も前回使っていたSUP85N-15(MOSFET)からIGBTのフルブリッジに変更。\\ | ||
- | {{:power_ele:circuit2.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:circuit2.jpg?412*310}}\\ |
回路の固定にタイラップを使うなど、なかなかおかしな事をしています(笑\\ | 回路の固定にタイラップを使うなど、なかなかおかしな事をしています(笑\\ | ||
その上IGBTは負性抵抗なので本来はバランス抵抗無しに並列に繋いではいけないのですが、3並列にしてしまっています※\\ | その上IGBTは負性抵抗なので本来はバランス抵抗無しに並列に繋いではいけないのですが、3並列にしてしまっています※\\ | ||
Line 106: | Line 106: | ||
1次側共振回路系の共振合わせなどをしつつ動作テストを行います。\\ | 1次側共振回路系の共振合わせなどをしつつ動作テストを行います。\\ | ||
この時が一番故障が多いので、毎度毎度ドキドキします(笑\\ | この時が一番故障が多いので、毎度毎度ドキドキします(笑\\ | ||
- | {{:power_ele:spark1.jpg?300*200}} | + | {{:power_ele:spark1.jpg?412*310}} |
- | {{:power_ele:spark2.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:spark2.jpg?412*310}}\\ |
うーん、1メートルというところでしょうか。\\ | うーん、1メートルというところでしょうか。\\ | ||
まだまだ行けるハズ・・・とスライダックを捻ると・・・回路から火花が上がり、放電が弱くなりました。\\ | まだまだ行けるハズ・・・とスライダックを捻ると・・・回路から火花が上がり、放電が弱くなりました。\\ | ||
Line 114: | Line 114: | ||
====回路製作2==== | ====回路製作2==== | ||
まず目に付くのが1次側共振回路のコンデンサの膨らみです。\\ | まず目に付くのが1次側共振回路のコンデンサの膨らみです。\\ | ||
- | {{:power_ele:spark3.jpg?300*200}}\\ | + | {{:power_ele:spark3.jpg?412*310}}\\ |
電力回路でのコンデンサの破壊としては電流容量オーバーと耐圧オーバーの2種類が主にありますが\\ | 電力回路でのコンデンサの破壊としては電流容量オーバーと耐圧オーバーの2種類が主にありますが\\ | ||
このコンデンサは故障後すぐに触ってもそれほど熱くなっていませんでしたので\\ | このコンデンサは故障後すぐに触ってもそれほど熱くなっていませんでしたので\\ | ||
Line 131: | Line 131: | ||
次に目に付くのが先ほど火花が散った箇所です。\\ | 次に目に付くのが先ほど火花が散った箇所です。\\ | ||
破裂音も火柱も、スライダックの唸りも無かったのでIGBTは無事な様です・・・が\\ | 破裂音も火柱も、スライダックの唸りも無かったのでIGBTは無事な様です・・・が\\ | ||
- | + | {{:power_ele:spark4.jpg?412*310}}\\ | |
- | + | Cスナバ用のフィルムコンデンサの足が溶け落ちています。\\ | |
- | + | こればかりはもう回路を修正するほか手の打ちようが無いので、スイッチング段の回路修正で対処します。\\ | |
- | + | \\ | |
- | + | そして出来上がったものがこちら\\ | |
- | + | {{:power_ele:spark5.jpg?412*310}}\\ | |
- | + | ムチャクチャやってますが、意外と良い働きをします(笑\\ | |
- | + | \\ | |
- | + | ====動作確認2==== | |
- | + | {{youtube>large:OKkWUboIvJg}} \\ | |
- | + | 今度は問題なく動きました。放電距離は140cmという所でしょうか。\\ | |
- | + | 放電の際の音も凄まじく、まさに爆音です。\\ | |
- | + | \\ | |
- | + | もう少しIGBT的には入力電圧を上げる余裕が有るのですが、\\ | |
- | + | もうこの場所では放電が天井の蛍光灯に当たってしまうため実験ができません。\\ | |
- | + | また、消費電力もそろそろ一般的な100Vのコンセントの限界な様で\\ | |
- | + | しばらく放電をさせているとプラグの金具部分が暖かくなってきてしまいます。\\ | |
+ | \\ | ||
+ | これ以上放電距離を伸ばすためには騒音対策や、200Vラインから電源を取るなど\\ | ||
+ | 一般家庭では出来ないセットアップが必要になってきてしまいますので\\ | ||
+ | この辺が日本でテスラコイルを作る上での一つの限界点ではないでしょうか。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ====2号機完成とその後==== | ||
+ | と、言う事でこのテスラコイルの開発は一旦ここで終了とします(2011/07/28)\\ | ||
+ | 後は上で紹介に使わなかった写真などを雑多に。\\ | ||
+ | また、このテスラコイルは完成後様々なイベントで使用してきましたので、その動画や写真なども一緒に掲載。\\ | ||
+ | {{:power_ele:after1.jpg?412*310}} | ||
+ | {{:power_ele:after2.jpg?412*310}}\\ | ||
+ | 開発の中で殉職したIGBT達 開発中の作業机、汚さがヤバイ\\ | ||
+ | {{:power_ele:after3.jpg?412*310}} | ||
+ | {{:power_ele:after4.jpg?412*310}}\\ | ||
+ | 2次側共振合わせの回路図 共振状態時の波形、Q値が高い程矩形波が歪む\\ | ||
+ | {{:power_ele:after5.jpg?412*310}} | ||
+ | {{:power_ele:after6.jpg?412*310}}\\ | ||
+ | 感熱紙に放電痕を残す実験 2次元的にしかデータが残らないためあまり役に立たず\\ | ||
+ | {{youtube>large:gZxa2dFL9nc}} \\ | ||
+ | それぞれのパート毎にオーディオ駆動し、後に各パート毎の動画を集約し1本に編集。\\ | ||
+ | インターラプタの誤動作も無く、完璧に動作している。\\ | ||
+ | {{youtube>large:MHXcAD_CqTo}} \\ | ||
+ | オーディオ変調動作中のテスラコイルを高速度カメラで撮影したもの。\\ | ||
+ | パルス駆動されている事が見て取れる。\\ | ||
+ | {{:power_ele:after7.jpg?412*310}}\\ | ||
+ | ArtsChiyoda3331で展示をした際の写真、左のテスラはgo_oginoさんの物。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | {{youtube>large:-zzb_-riQb8}} \\ | ||
+ | 3331で展示をした際の動画([[http://gigazine.net/|GIGAZIN]]様撮影)、楽曲提供[[http://questioners.co.jp/|クエスチョナーズ]]様\\ | ||
+ | 閉鎖された部屋で反響する音がうまい事曲と合い、荘厳な雰囲気に。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | {{youtube>large:CPOGjebXfXU}} \\ | ||
+ | 上と同様、3331で展示をした際の動画([[http://gigazine.net/|GIGAZIN]]様撮影)\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ====謝辞==== | ||
+ | このテスラコイルは数多くの方々からの協力の下に製作されています。\\ | ||
+ | 私一人の力だけではこれだけの物を作り上げる事は出来なかったでしょう。\\ | ||
+ | 協力してくださった方々に深く感謝申し上げます。\\ | ||
+ | 未だ技術の「ぎ」の字も分からぬ様な若輩者ですが、\\ | ||
+ | よろしければこれからもご支援の程よろしくお願い申し上げます。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ====スポンサーの皆様==== | ||
+ | 部品多数提供、開発環境提供:[[http://www.u-tokai.ac.jp/|東海大学]]様\\ | ||
+ | テスラコイル用楽曲提供:[[http://questioners.co.jp/|クエスチョナーズ]]様\\ | ||
+ | IGBT、共振コンデンサ提供:[[http://twitter.com/#!/go_ogino|go_ogino]]様\\ | ||
+ | 電力用電解コンデンサ提供:[[http://twitter.com/#!/shirohebi|shirohebi]]様\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | ====発表の場を提供して下さった皆様==== | ||
+ | [[http://www.3331.jp/|アーツ千代田3331]]様\\ | ||
+ | [[http://www.solarfrequency.com/|SOLAR FREQUENCY]]様\\ | ||
+ | [[http://tokai-tv.com/kuribitsu/|東海テレビ-くりびつ!]]様\\ | ||
+ | [[http://jp.makezine.com/blog/|O'Reilly-Make]]様\\ | ||
+ | ここをご覧の皆様\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | 本当にありがとうございました。\\ | ||
+ | ではでは。\\ | ||
+ | \\ | ||
+ | \\ |