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状況の確認と生死判定


マズはいろいろと手を加える前に次の2点を確認しましょう

・FETにヒビなどが無いか
・回路のパターンに焦げや焼けが無いか


もしFETにヒビや欠けが見つかった場合は十中八九そのFETは死んでいます。
死んでいますが、恐らく耐圧オーバーで死んでいますのでこちらのページの対処方法になります。

また、そのFETに繋がっている回路パターンに焼けやコゲが有る場合も
十中八九そのFETが死んでいます。
この場合は次の「FETが死んでいるかどうかの確認」の手順は飛ばしてかまいません。

それ以外の場合は次に、本当にそのFETが原因で装置が壊れているのか、
つまりFETが死んでいるのか、生きているのかの確認をしましょう。

大体このテの故障でFETが死んでいる時には
FETのドレインとソースが導通状態になって死んでいます。
なのでFETのドレインとソースの抵抗をテスターで測れば良いのですが、
測る時はFET以外の要因を取り除くために、FETは必ず基板から外してください。

FETを基板から外して、ドレイン、ソース間の抵抗が無い、
または非常に低い状態だったらそのFETは死んでいます。

なぜ死んだのか

余程基板の設計がクソでない限り(明らかに定格不足の素子を使っていない限り)
大体こういう場合の故障原因はFETのドレイン電流超過です。
この場合FETからは特に音も光も無く、突然壊れます。

しかし、実はヒューズが入っている場合はヒューズの飛ぶ際の光で分かりますし
もしスライダックなどのトランス類が入っている場合は
ヒューズが入っていなくても、そのトランスが60Hz又は50Hzで猛烈にうなるので壊れた事が分かります。

ちなみに、音も光も無くと書きましたが、流石にカーバッテリーのような
超大電流を流せる電源がヒューズも無く繋がっていた場合は、さすがに火が出ます。

対策

対策としては、まずもう1ランク電流容量の大きい素子を使うか、
FETを何個か並列に使う事を考えましょう。
FETは正の抵抗特性(温度が上がる→ON抵抗が上がる)を持っているので
何の気なしに並列に繋いでも案外平気だったりします。
因みに私はDRSSTC製作の際、バランス抵抗等の特別な対策無しに4並列までは繋いだ事があります。

次に本当にその場所はFETでなければならないのか、もう一度考えてみましょう。
余程スイッチング周波数が高いとかで無ければIGBTを使う手も有ります。
スイッチング周波数200kHz以下、ピーク電流20A以上であれば、
私だったら多分IGBTを使います。(2013/02/02現在)

もし既製品でこのような状況になっているのであれば、
FETをもっと電流の流せる物に交換するのが恐らく近道でしょう。
回路のパターンに余裕があって、FETが複数個並列に付けられるのであれば
それでも良いと思います。